着物を着るとき、衣紋をうまく抜けないという悩みは少なくありません。
衣紋というのは着物の衿の合わせ目の部分であり、年齢や職業、性別などによって合わせ方が変わってきます。
この襟の合わせ目を緩めることを「衣紋を抜く」といい、一般的には、男性や小さい子供はこのような着つけはしません。
また、女性の場合でも年齢を重ねると徐々にあまり衣紋を抜かなくなります。
逆に、成人式などの晴れ着、芸者など一部の職業の女性などはしっかりと衣紋を抜くようにします。
そこで、自分に合った衣紋の抜き方がわからないという人のために、襟の抜き方をご紹介していきます。
着物の衣紋が抜けない!上手く抜く方法は
着物の衣紋が抜けない!方は、まず上手く抜けるよう準備から入ることが大事です。
着付けの前に準備しておくことは?
和服を着るときは、できるだけ体が平坦な状態であることが理想です。
バストが大きい人は襟元が詰まったり崩れたりしやすいため、タオルを入れて補正するか、着物用のブラなどで胸を抑えておきましょう。
くびれがしっかりある人も帯が崩れやすくなるなどの心配があり、タオルで補正することが多いです。
和服用のブラにも、胸を圧迫してつぶすタイプもあれば、胸のお肉を別の場所に移動させて筒形の体型に近づけていくタイプもあります。
胸の形や大きさに合わせて、きれいに着こなせるものを探しておくとよいでしょう。
どのタイミングで衣紋を意識する?
衣紋の抜き加減を意識するのは、長襦袢を着るときです。
着物の場合は肌襦袢の上に長襦袢を着て、その上から長着を着ます。肌襦袢には襟がついていませんが、長襦袢は長着と平行に襟を重ねていきますので、長着を着る段階で衣紋を意識しても遅いのです。
着付けにあまり慣れていないときは、仕上がりで予定しているよりも心持しっかりと衣紋を抜くようにしてみましょう。
こうすることで、正面の襟を合わせるとき、うっかり着物を前に引っ張ることがあっても衣紋を抜いた状態が保たれます。
長襦袢の衣紋を抜くときには、腰ひもを占める前に後ろ見ごろをしっかり下に引っ張っておきます。
この状態で前をきちんと合わせ、腰ひもで縛っておきましょう。
衣紋だけでなく、後ろの中心がまっすぐになっているかも確認しておくと綺麗に着つけられます。
長着を着るとき、どうやって調整する?
長襦袢の上に長着を重ねた後、襟合わせをしていきます。
この時、自分の耳から後ろの部分は着物をできるだけ引っ張ったり緩めたりして動かさないようにしましょう。
耳より前の部分だけできちんと襟合わせをして、腰ひもで留めておきます。
できるだけしわやよれなどがないように整えて、上からしっかり伊達締めで固定しましょう。着物は帯ではなく、腰ひもや伊達締めで整えていくものですので、帯を締める前にきちんと衣紋抜きや襟合わせをしておかなければ修正ができなくなるのです。
着付けに慣れないうちは、腰ひもを多めに用意して仮どめをしておくと、きれいに整えられます。
衣紋が抜けない時の便利アイテム
衣紋がうまく抜けないときは、長襦袢に衣紋抜きをつけるというのも一つの方法です。
これは、長襦袢の襟後ろ中心部に紐をつけ、腰ひもにかけて衣紋の抜き加減を固定するものです。
腰ひもと連動しているので初心者でも失敗しづらいですが、綺麗なカーブになっているのか後姿を確認しながら着付けましょう。
また、正面の襟合わせを固定するコーリンベルト、長襦袢と長着の襟後ろ中心部を一つに留めて着崩れを防ぐクリップなどもあり、これらを使うとさらに着付けが楽になります。
まとめ
- 着付けを開始する前に、ボディラインを筒形になるように調整する
- 襦袢を着るときは仕上がりのイメージよりもしっかり目に衣紋を抜く
- 長着を重ねるとき、耳より後ろの襟は動かさないようにして着る