着物は「100年もの」なんです,”母親の着ていた振袖を娘が着る、ということがあります。
「着物は三代」「三代目には福がくる」と言うことから、祖母が袖を通したことがある振袖を大事に着ている場合もあります。
いざ、着る機会を得て実際に振袖を見たときに「これを着ることができるかな」と不安に感じたり、お下がりは着たくないと思ったりする人もいるかもしれません。
しかし、母親のお下がりということは、何十年も娘のために大切に保管してきたということでもあり、後悔しない選択をしたいものです。
母親の着ていた振袖を着る機会がある場合、どんなことに目を向けるといいのでしょうか?
目次
母親のお下がりの振袖を着るとイヤ?後で後悔する?
古いお下がりの振袖では似合う?似合わない?自分の好みと違った場合
母親から渡された振袖は、一度袖をとおしてみることをおすすめします。
一見すると、自分の好みとはかけ離れた色、柄に戸惑う人は少なくはありません。「お下がり」というイメージから、時代を気にする人もいます。
「自分に似合うのかな?」
「デザインが古くて周りと浮かないかな?」
そんな不安が出てきて、お下がりではなく自分の好きなデザインの着物を選びたいと考える人も多いようです。
しかし、母親が着て似合っていたということは、娘も似合う場合が多いのです。
着物は眺めているだけではなく、当ててみる、実際に袖をとおしてみることによって本人の予想を(いい意味で)裏切ることがあります。
何年も後になってから着る機会ができて、着付けを頼んだら「自分にとても合っている着物だった」ということに気が付き、成人式の時に着なかったことを後悔したという人もいます。
母親の着ていた振袖はその母親、つまり祖母が着ていた可能性があります。母親の着ていた当時は古いデザインかも知れませんが、孫の代になったとき、流行りが再来して新鮮さを感じさせるものもあります。
レンタルを考える人も多いかもしれませんが、母親が着ていた振袖なら「誰が着ているか分からない」こともなく、「同じ柄や色を着ている」ということもありません。布の質などもまったく異なります。
上質な布の振袖がデザインも申し分ないとなれば、「着ない理由」はありません。
お下がりの振袖をいざリメイク!失敗しないためには?
渡された振袖は、何十年も前に着て保管されていたことから、染み抜きだけではなく、サイズ直しや、布の状態によっては裏地の交換などが必要になってきます。
他のお店で誂えた着物のメンテナンスをしてもらえるか、料金がはっきりと示されているかなど、事前にしっかりと聞いた上でお店を選ぶことが大切です。
リメイクを頼むお店は慎重に、着る側にとって「いいお店」を選ぶことがとても重要といえます。
さらに、着る人の時代に合わせたコーディネイトのセンスを持っているお店かどうかも重要となります。
綺麗にしてもらった振袖の魅力を最大限に引き出し「また着たい」と思えるような素敵な時間を過ごせるかどうかは、組み合わせる小物やヘアメイクによって左右されることも多いです。
ホームページなどでも「こんな風にコーディネイトしています」と事例を載せているお店もありますので、事前に確かめて問い合わせてみるのもおすすめです。
「母親の振袖を着てよかった」と思う人たちの中には「意外と自分に似合っていた」「小物などを工夫してみた」という声があります。
何着か着物を持っているという家庭の場合、振袖を着るときに利用して「いいお店」に出会えば、今後他の着物についても相談できるお店となります。中には新しい着物をすすめてくるお店もありますが、「着物は100年もの」といいますので、よほどの理由がない限り「いいお店」ではすすめてくることはない、と考えておいたほうがいいでしょう。
まずは「当ててみる」「着てみる」そこから決めてもいいかも?
「着物は100年もの」と言われているように、リメイクを繰り返して時代に合わせた小物やヘアメイクを取り入れて着続けられています。
古いお下がりの着物でもリメイクで、さらに「新しい」着物に勝る深みのあるものとなるんですね。
後悔しない為にも母親の振袖を「見る」だけでなく一度「当ててみる」「着てみる」のはいかがでしょうか?