身内の結婚式への参列は、普段以上に新郎新婦の親族として恥ずかしくない服装をしなければなりません。
新郎新婦の両親は黒留袖や羽織袴と相場が決まっていますが、次に近しい立場である新郎の姉などは、何を着ればよいのかで迷うこともあるでしょう。
学生のうちは制服でも問題ありませんが、社会人になってからは落ち着いた印象を与えられる和服で参列するのがお勧めです。
そこで、こちらでは条件に応じて新郎の姉におすすめの着物をご紹介していきます。
新郎の姉はどんな着物?親族の立場にふさわしい着物の選び方とは
新郎の姉の結婚式の着物マナーは、既婚か、未婚かで変わってきます。
新郎の姉が既婚の場合
新郎の姉という立場は両親に次いで近い親族ですので、既婚者ならば第一礼装である黒留袖が基本です。
特に、格式の高い結婚式場での挙式は、色留袖よりも黒留袖にした方が印象が良くなります。
新郎新婦の母親も黒留袖になりますので、柄の位置が高く、華やかさのあるものを選ぶとよいでしょう。
家紋は地域にもよりますが、嫁ぎ先の紋でも、実家の紋でも構いません。
また、20代~30代前半であれば、既婚者でも色留袖の着用が可能です。
五つ紋が入っていれば黒留袖に次ぐ正礼装という扱いですので、新郎新婦の姉妹ならば問題なく着用できます。
黒留袖、色留袖にするのは、これらが既婚者の礼装であるためです。
振袖は未婚女性の正装なので、結婚式のような場面で親族として着用するのはふさわしくありませんし、訪問着は友人など、親族以外の参列者が着用するもので、新郎新婦と共に来賓者をもてなす立場にある親族の服装としては合いません。
もちろん、着物としての格がさらに落ちる無地や付け下げ、小紋なども新郎新婦の身内が着用すべき服装ではありません。
ある程度年齢を重ねている新郎の姉ならば、新婦に花を持たせる意味でも落ち着いた色合いの色留袖や黒留袖を着用したほうが上品です。
20代の既婚者の場合には、黒留袖にしてヘアスタイルや髪飾りを工夫すれば、上品で華やぎのある装いになります。
新郎の姉が未婚の場合
新郎の姉が未婚の場合には、年齢が上でも未婚女性の正装である振袖を着用することができます。
ただし、未婚であっても従来は20代前半までの女性が着用するものとされていますので、状況に応じて色留袖を選ぶケースもあります。
未婚女性が色留袖を選ぶときは、明るく華やかな色柄を選ぶと地味な印象になりません。
ヘアスタイルや帯の組み合わせによって、格調高いながらも振袖のような華やかな装いになれます。
黒留袖を着用した女性が多い親族席のテーブルでは、会場に華やかさを添える振袖は新郎新婦にも喜ばれることが多いです。
着物の格から見ても、既婚者は黒留袖、未婚女性は振袖が最も格上となりますので、失礼にあたる心配がありません。
ただ、未婚者が黒を着ると逆に地味な印象になるため、黒よりも色留袖が良く選ばれます。
振袖を着用するときには、新婦のお色直しの衣装を確認することをおすすめします。
仮に、色や柄が似通ったものになりそうなときは、新婦を引き立てることを意識して他の着物を選ぶようにしましょう。
振袖の中には、古典柄ではなくモダン柄を取り入れているものもありますが、おめでたい結婚式の場で着用するのならば、格調高くもおめでたい場面にふさわしい模様が入っているものをおすすめします。
成人式などで花魁のように胸元を広げた着付けをしている人もいますが、結婚式ではきちっとした印象を与えなければなりません。
また、基本的には両家の服装は格式を合わせて参列します。前もって、新郎新婦の姉妹は何を着用するのか相談しておくとよいでしょう。
まとめ
- 既婚の場合は黒留袖、もしくは色留袖
- 未婚の場合は20代前半までなら振袖も可、もしくは色留袖
- 両家の格式は合わせるように相談しておく